佛念寺山断層線に起因する土地売買瑕疵損害訴訟とは

nobcha

2015年01月04日 21:06

昨年に佛念寺山断層線に起因する土地売買瑕疵損害訴訟という事例
紹介しました。

この訴訟は地主さんがデベロッパ(有名なN不動産?)に土地を売った。
買ったデベロッパがボーリング地質調査をしたら、活断層と推定できる
地層の撓曲構造が観察された。大規模高層マンション?の建築ができ
なくなった。

政府機関の地質図でも近辺に佛念寺山断層線が走っていたと公表され
ており、売主は瑕疵の可能性を承知してたはず。土地の瑕疵により計
画変更せざるを得なくなり損害補償を求めたもののようです。

事例発表をされた大阪の弁護士事務所さんは地主さん側で、被告側は
悪意なく、瑕疵(マンション価値のある間に地震が起こるとも限らん。条
例で断層線上の建築制限が行われていない)にもあたらないというポジ
ションで受けてたったようです。

裁判所の一審判決は地主さん側の負け。その後和解した。

この裁判事例として参考になると思うのは次の3点と思います。(私見)

1.売買契約に不担保条項なき場合、敷地内に断層線の存在を推定で
きる地層撓曲構造あれば、土地利用を制限する瑕疵と認められる。

2.西宮市の条例のように断層線上への建築制限があれば、明白に建
物敷地としての瑕疵である。→米国では断層線近辺への建築制限あり
国内でも横須賀市や福岡市に関連事例あり。

3.今回訴訟の証拠資料として敷地内の複数群列ボーリングした地層調
査結果が明らかにされている。産総研が以前実施した神崎川河川敷で
の群列ボーリングによる断層線と直線的につながっている。(と推定さ
れる)

政府WEB公表の断層線がしばらく前から江坂大池小学校から大吹橋
間で不鮮明になっていた。この件はその間を補完する情報である。(こ
の土地が南金田だとすればですが。以前公表されていた断層線の地
表面位置はもう少し西側になっていた。)

佛念寺山断層線 活断層ハザードマップよりスクリーンショット



今回暇を見つけ、この訴訟の対象となった土地がどこなのか、ロケー
ションハンティングに行ってみました。(続く)


――その後場所を発見、2015-7-05書き込みで写真を紹介


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